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2005年03月17日

4月の統一補選 自民、首相信任の意味合い/民主、2敗なら責任論浮上

 中西一善衆院議員の辞職に伴う衆院東京4区補欠選挙が当面行われないことになり、四月二十四日の衆院統一補選は宮城2区と福岡2区の両選挙区で争われる。選挙の行方は小泉政権の行方にも影響を与えかねず、自民党内には危機感も強い。民主党は政権奪取の足がかりとして意気込んでいる。
 統一補選はいずれも民主党の不祥事に伴うため、自民党は「全勝を目指す」(武部勤幹事長)と議席奪還に必死だが、福岡2区を落とせば、小泉純一郎首相の政権運営に決定的な打撃を与える可能性がある。
 福岡2区に出馬する山崎拓氏は首相の盟友で、現職の首相補佐官。国政選挙が予定されていない中で山崎氏の選挙結果は首相の信任投票の意味合いを持つ。
 選挙日程は、首相が「改革の本丸」と意気込む郵政民営化をめぐる政府・与党の最終調整や関連法案提出時期と重なる可能性も高い。山崎氏が再起を果たせなければ、民営化反対勢力が攻勢を強め、「ポスト小泉」の動きがにわかに強まる局面も予想される。
 首相サイドも危機感が強い。もともと福岡県連には、参院選などで無所属候補を応援した山崎氏への不満が強く、事態打開のため、首相は再三、県連会長の麻生太郎総務相に支援要請。ようやく「自民党を支える」との大義でまとまった。
 公明党も連立与党の枠組みを守る戦いと位置づけて支援に回る見通し。公明党が重視する今年七月の東京都議選に向けて「補選で民主党を勢いづけたくない」(幹部)との思惑がある。
 これに対し宮城2区は、民主党に勝てる候補者選びを目指して自民党が導入した公募制の試金石となる。分裂選挙が確実になったことで制度の難しさを露呈したが、ここを落とせば「次期衆院選に向けた戦略練り直しが求められる」(党幹部)との危機感も強い。
 党内には中西一善衆院議員辞職に伴う補欠選挙が今回行われないため、「最悪の事態は回避できた」(党幹部)との安堵(あんど)感もあるが、中西氏の前代未聞のスキャンダルが補選に与える影響も否定できず、「二勝どころか二敗を避ける戦略に転換せざるを得ない」(関係者)との声もある。
 民主党は、統一補選を「次期衆院選の前哨戦」(岡田克也代表)と位置付け、全勝に向けて挙党態勢で臨む。
 ただ、福岡2区は「勝って小泉政権に打撃を与える」と意気込むが、知名度などで水をあけられており、苦戦は避けられない情勢だ。
 このため、執行部には「最低ラインは一勝一敗。自民との痛み分けであれば岡田克也代表ら執行部の責任は問われない」と予防線を張る向きもある。しかし、二敗を喫した場合は、岡田氏の評価に直結し、責任論が浮上する可能性がある。
 ただ、両選挙区とも民主党の候補予定者は小沢一郎副代表が主宰する政治塾出身。それだけに政策や党運営などをめぐり岡田氏と距離を置く小沢氏としても「二敗の責任を岡田氏に押しつけることはできない」(中堅)との見方がある。
     ◇
 【福岡2区】
 ■山崎氏の支持層固めが焦点
≪立候補予想者≫
山崎  拓68 首相補佐官 自【山】元
平田 正源37 党総支部長 民 新
山田 博敏43 党県委員  共 新
浜武 振一39 元市議   無 新
 前回衆院選で落選した自民党の山崎拓氏が支持層を固められるかが焦点だ。今回は居酒屋での座談会や企業の朝礼、運動会などにこまめに顔を出し、「新人のような戦いぶり」(武部勤幹事長)。知名度で勝ることから「勝った気分でいる」(中堅議員)と、陣営の緩みを警戒する声もあり、山崎氏自身、「負けたら引退」と引き締めに躍起だ。
 民主新人の平田正源氏は、清新さを前面に出して無党派層への支持拡大をねらう。岡田克也代表は「いいムード」としているが、地元出身とはいえ十年以上米国に在住していただけに、知名度で及ばない。
 昨年十二月には党大会を福岡市で開催、岡田代表はすでに二回、さらに二十一日には小沢一郎副代表や鳩山由紀夫元代表ら約三十人が現地入りし、「政権交代をかけた戦い」を印象付ける戦略だ。
     ◇
 【宮城2区】
 ■自民分裂、議席死守の民主
≪立候補予想者≫
秋葉 賢也42 県議   自 新
門間由記子30 大学院生 民 新
五島  平54 党県役員 共 新
田山 英次44 党県役員 社 新
菊地 文博44 県議   無 新
 民主党選対を支えた連合幹部の有罪が確定し、鎌田さゆり氏が辞職したことに伴う補選。議席を死守したい民主党は、鎌田氏より十歳若い門間由記子氏を擁立した。門間氏は、鎌田氏と二人で朝の街頭演説を行うなど、過去二回の衆院選で無党派層の支持を受けた鎌田氏の「後継者」としてのイメージを前面に出している。街頭で手を振る鎌田氏の行動に批判もあるが、県連幹部は「応援の方が多い」と強気だ。
 これに対して自民党は分裂選挙に。党改革の一環として公募で秋葉賢也氏を公認。秋葉氏は過去三回の県議選で無所属当選し、一年前に入党したばかりだが、厚い後援会組織に支えられ前回県議選では東北最多票を得た実績もある。
 だが選定過程への不満から菊地文博氏が自民党を離党し出馬表明。“敵失”で得た「議席奪回の千載一遇のチャンス」(党中堅県議)という構図が一転。候補一本化を条件とした公明党も態度を保留している。
     ◇
≪東京4区係争中で行われず≫
 ■「選挙区の代表」「一票の格差」どちらを優先?
 四月の統一補選で当初は実施されるとみられていた東京4区の補選が当面行われないことは、法制度で「何を優先すべきか」という深刻な命題を突きつけた。
 公選法三三条は選挙をめぐる訴訟が起きている間は補選は行わないと規定している。東京4区では平成十五年の衆院選で、「一票の格差」が違憲だとして選挙無効を求めた訴訟が最高裁で係争中のため、この規定が活用されることになった。
 選挙を無効とする判決が出た場合、補選もやり直す必要がでてくることを避けるのが制度の趣旨とされている。しかし、関係者の間でも盲点となっており、中西一善前議員が逮捕された当日は各党ともこれに気づかず、翌日の十一日昼になって総務省の担当課が気づいたという。
 今回の問題点について西修駒沢大教授(憲法)は「一票の平等は代表制民主主義を実現する一つの要素に過ぎない。それより代表者を選ぶ方が重要だ」と、訴訟が起きていても補選が実施できるようにすべきだと主張する。一票の格差よりもその選挙区の代表が不在となる方が問題という考えだ。
 自民党の武部勤幹事長が「悪用されることもありうる」と指摘したように、関係者が提訴を起こしておけば補選は行われなくなる懸念もある。
 総務省は、「無効訴訟は投票日から三十日以内に起こさねばならず、いつでも起こせるわけではない」としながらも「選挙区すべてが提訴の対象となることも理論上は考えられるが…」と困惑気味だ。
 一方、「一票の格差」訴訟で違憲判決(大阪高裁)を勝ち取ったことがある山本次郎弁護士は「一票の格差は訴訟の積み重ねで限りなく二倍に近づいてきた。今回の事件は後から降ってきた話で、無効訴訟が悪用されるという批判は的外れだ」と反論、選挙結果の確定を優先させるべきで現行制度でもやむを得ないとの考えだ。
 ただ、選挙実施から一年四カ月以上も経過して最高裁判決が出ていないのが現状でもある。民主党の岡田克也代表はこの日の会見で「司法の判断に時間がかかり過ぎることもこうした事態が起こる要因だ」と述べた。
 前回衆院選をめぐる定数訴訟の対象は東京4区を含め東京、千葉、神奈川で計十選挙区ある。放置すれば、同様の事態が起きかねない。
(産経新聞) - 3月16日3時2分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050316-00000004-san-pol
posted by まとめ at 10:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 中西一善 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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