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2005年05月25日

<尼崎脱線事故>長女亡くした元技術者手記 日本の総点検を

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050525-00000063-mai-soci

 尼崎脱線事故で長女容子さん(21)を亡くした兵庫県三田市の会社員、奥村恒夫さん(57)が毎日新聞に手記を寄せ、亡き娘への思いを語った。長年技術者として建設会社に勤め、道路や空港、鉄道などの基礎工事に携わり、旧国鉄時代の工事管理者の資格も持っていた。日本の高度成長を支えてきたともいえる奥村さんは、その経験を踏まえ、安全な社会の実現を強く訴えた。手記の要旨は次の通り。【長沢晴美】
 私はこれは、単なる運転士のミスによる脱線転覆事故ではないと思っています。JR西日本は運転士の過失で処理しようとするでしょうが、正直言って殺人事件としか思えません。JRという会社の構造が生んだ殺人行為です。徹底的に糾明したいと思っています。
 JRは運転士に対し、鉄道構造の教育を行ってきたのか。こんな若すぎる運転士(当時23歳)が、緩和曲線やカント(線路の傾斜)に対するスピードの許容範囲について理解があったとは到底思えません。
 国は、これを機会に日本を総点検すべきです。鉄道、道路、崩落危険個所、日本中危険な場所はたくさんあります。今手を着けなければ、同じような事故が必ず起こります。ぜひ今すぐ日本の大改修に着手して下さい。日本という国は何か起こらないと動きません。それなら未来永劫(えいごう)何ら変わらず、悲劇は繰り返されます。
 安全には、お金がかかります。事故がないんだから安全費はいらない、出来れば安全費は利益に計上したい、これが本音でしょう。新型ATS(自動列車停止装置)も、今JRは慌てて工事をしていますが、一気に導入すると経費がかかるから、ぼちぼちやれば良いと考えていたのではないでしょうか。安全を二の次にした結果、事故が起きたのです。
 国も「今まで通り大丈夫」でいいのでしょうか。阪神大震災(95年)で高速道路が倒壊し、道路の安全神話が崩れました。今また鉄道の安全神話も崩れた。次は何かと恐ろしいです。安全の先取りを今すぐに始めて下さい。
 この大惨事を教訓に、JRはもちろんその他の交通機関、道路管理者、および国に対し、日本の総点検に即刻着手するよう強く要望します。娘の死を無駄にしてほしくないのです。日本が良くなれば、その時娘は笑ってくれるでしょう。日本に生まれて良かったと――。
 ◇遺影の前で眠りにつく父
 「よく気が付く優しい娘でした。普通父親は毛嫌いされるものですが、不思議なくらい好みが似ていてうれしかった」
 音楽が共通の趣味だった。オーディオセットのある父の部屋は、いつも娘に占領された。週末には2人で図書館へ出かけ、父はCDを借り、娘は本を借りた。毎月一度、父娘で待ち合わせをして外食を楽しんだ。
 娘は京都女子大文学部4年。古代エジプトに興味を持っていた。授業ではいつも教室に一番乗りし、最前列で講義を受けた。博物館学芸員か図書館司書になるのが夢だった。
 事故当日、授業は午後からだったが、博物館実習の登録のため、早めに家を出た。「まじめで律義で……。ゆっくり出かければいいのに」
 この日、早く家を出た父は娘に会っていない。長い長い一日の終わりに、身元不明遺体を撮影した写真の中で再会した。世界でただ一人の娘。棺(ひつぎ)には「30」と番号があった。
 「就職が決まったらコンサートに連れて行きたかった。やりたいことはいっぱいあったはず」
 娘の遺骨を安置する部屋には、音楽がいつも流れている。一人にするのがかわいそうで、夜は遺影の前に布団を敷いて浅い眠りにつく。娘の死をいまだ現実として受け止められない。来月、娘の22回目の誕生日。どう迎えていいか分からない。
 「二度と同じ目に遭う人がいないように。それが何よりの娘への供養です」
 ◇献花台に市民ら
 事故現場の南側にある一般市民向けの献花台には次々に人が花を手向けに訪れた。事故車両7両目に乗っていた尼崎市の久保敏明さん(61)は「自分は助かったが、元々足が悪くて救助に参加できなかった。今から思うとそれが一番悔しい。献花に来て犠牲者の冥福を祈ることしかできない。多くの若い人が犠牲になったのは残念」と話した。事故当日、救助活動にあたった尼崎市中央卸売市場の海産物卸業「虎政」工場長の前田哲之さん(46)は「事故直後の悲鳴や現場の様子が頭から離れない。ご冥福をお祈りする」と目に涙をにじませた。【渋江千春】
 ◇JR西でも黙とう
 JR西日本は午前9時18分、本支社などで各職場の社員が犠牲者に黙とうをささげた。事故後、始業時間の午前9時に黙とうしてきたが、この日は事故発生時刻に合わせた。大阪市北区の本社13階に設けられた焼香室で静かに手を合わせた男性社員(32)は「事故の悲惨さを改めてかみしめている。このような事故を二度と起こしてはならない」と話した。【川上克己】
(毎日新聞) - 5月25日15時36分更新
posted by まとめ at 18:29| Comment(2) | TrackBack(0) | JR西日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
奥村さん、事故で亡くなられた方の遺族の方々へ
娘さんは、亡くなっても生きてられます。
言い分がはっきりとわかります。
お話ができます。
ぜひ、連絡をして下さい。
Posted by 寺下 at 2005年07月26日 09:36
失礼いたします
Posted by エロ at 2008年01月25日 23:42
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